東海道四谷怪談

東海道四谷怪談 歌舞伎の演目
この記事は約6分で読めます。

人間見てはいけないと言われると見たくなる・・・。四谷怪談はまさにそれだ。
日本を代表するホラーと言えば東海道四谷怪談(とうかいどうよつやかいだん)。その主役を演じるのがなんといっても「お岩さん」だ。女性が髪を梳かしたり、化粧をする現場を見るのは、よほどの美人でもない限りゾッとしないけど、この芝居では舞台上でも女性の情念を延々と表現するから、そのへんホラー映画を見るよりは数段と恐ろしい。
故:中村勘三郎がお岩・小仏小平・佐藤与茂七の三役をこなすなど人気歌舞伎のひとつでもある。

四谷怪談とは

四世鶴屋南北作の世話物です。文政八年(1825年)7月、江戸中村座初演。「忠臣蔵」の世界を下書きにして、お岩という女の凄まじいまでの執念を描いた怪談狂言。
上演時間は3~4時間



四谷怪談は忠臣蔵の続き?

文献を調べるとこの四谷怪談を見る多くの女性ファンを敵にする民谷伊右衛門やこの作品に登場する面々は、みな赤穂浪人であったり、吉良の家来だったりする。それもそのはずで、この作品の初演が二日がかりで上演されていたようで、初日は忠臣蔵の前半とこの作品の前半を、二日目には両方の後半を出すという上演方法を採っていた。こうした観点から四谷怪談を見ると、違った面白さもあると思います。

四谷怪談がよくわかる相関図

四谷怪談

四谷怪談のあらすじ

忠臣蔵の松の間で塩冶半官えんやはんかん高師直こうのもろのおに刃傷に及び半官は切腹。塩谷家は断絶となって四谷左門たち家来は路頭に迷うことになる。左門自身は乞食同然の日を送り、美貌の娘であるお岩とお袖は春を売って暮らすというありまさになる。お岩は家中の民谷伊右衛門と結婚し、妹のお袖もまた同じ家中の佐藤与茂七と許嫁の仲である。左門は、塩谷家の御用金を盗んだのが伊右衛門ではないかとという強い疑念を抱き、お岩を離縁させる。

お岩に未練のある伊右衛門は左門に復縁を迫るが断られ、ある夜に左門を殺します。
いっぽう、同じ家中の奥田庄三郎の中間だった直助は、お袖に思いを寄せているが、お袖がつれないので、許嫁の与茂七を闇討ちにしてしまいます。ところがこれが実は人違いで、殺したのはもとの主人の庄三郎でしたが、直助もお袖も気が付きません。か弱い女の身の姉妹は、敵討ちの手助けをするという伊右衛門、直助の言葉を信じて夫婦になります。

こうして伊右衛門の波宅に戻って子を産んだお岩は産後の肥立ちが悪く病気がちになっていきます。そこへ隣家の伊藤家からお見舞いの薬が届きます。しかし、この薬は顔が醜く変わる毒薬だったのです。伊藤喜兵衛の孫娘お梅が伊右衛門に惚れているので、孫かわいさに、お岩を醜くして伊右衛門と離縁させようとする喜兵衛の悪計だったのです。

薬を飲んだお岩は、伊藤家を恨みながら悶絶死します。また塩冶浪人の一人、小塩田又之丞の病気を治そうとして、民谷家の秘薬ソウキセイを盗んだ小仏小平も伊右衛門に殺されます。伊右衛門は、一枚の戸板の裏表にお岩と小平を張りつけて川に流します。

やがて、お岩の執念は幽霊となって伊藤一家を滅ぼしていきます。

三角屋敷の門前の小さなお店が舞台に登場。
その店のあるじである、お袖と鰻掻きの権兵衛と名のる直助が細々と暮らしています。そこへ訪ねてきたのが与茂七です。死んだと思っていた与茂七の出現に驚いたお袖は、二人の男に身を任せていた自分を悔いて死にます。さらに、お袖の臍緒書ほぞのおがきを見た直助権兵衛は、自分がお袖の実の兄だとわかって切腹します。

さて、蛇山の庵室に隠れ住む伊右衛門は、お岩の亡霊に悩まされつづけます。父は首をくくり、母はお岩の死霊に喉を噛み切られてしまいます。そして、伊右衛門もまた与茂七に打たれて最期をとげることになります。

四谷怪談の見どころ

お岩の名とともに、怪談狂言の傑作として知られる作品で、幽霊にかかわる数々の仕掛けが見せ場ですが、もうひとつの見せ場は、人間関係にあります。。善人であれ悪人であれ、江戸末期の下層社会に生きる人々がじつにリアルに描かれていることです。

民谷家では、伊藤の悪計により顔が醜くなったことを知ったお岩が、お歯黒をつけて神を梳く、いわゆる「髪梳き」がまず第一の見せ場です。櫛で髪を梳く度に毛が抜け落ちてゆく恐ろしさは鬘の工夫ですが、陥れられた女の悲しみと恨みの凄さが、長唄の独吟にのってせつせつと表現されるさまは何とも言えない怖さに巻きこまれます。

隠亡堀では、戸板の裏表に張りつけられた川に流されたお岩、小平の亡霊があらわれる「戸板返し」、庵室では、門口に吊るした提灯の炎の中から、お岩が登場する「町人抜け」をはじめとして「仏壇返し」など数々の仕掛けが見られます。

三角屋敷では、怪談ものというよりは、お袖、直助権兵衛の述懐を中心とするしんみりした場面になります。
伊右衛門は色悪というわれる白塗りの敵役で二枚目の役です。宅悦という按摩がしばしば登場しますが、狂言まわしとして重要な脇役になります。お岩と小平は二役をかねるのが普通で、さらに与茂七を加えて三役をかねつこともあります。冒頭で忠臣蔵の世界を借りていると紹介したとおり、塩冶の浪人たちのほかに、たとえば、伊藤喜兵衛は高師直の家老とうことになっていますが、作品を見るには、ことのほ意識する必要はない。

四谷怪談を演じる役者

配役は以下の通り。
尾上菊五郎 – 岩
市川團十郎 – 伊右衛門
松本幸四郎 – 直助
岩井粂三郎 – お袖
岩の役柄は菊五郎の外孫・尾上菊五郎の時代に集大成され、以後音羽屋のお家芸のひとつとなった。
最近では、お岩役・中村七之助さん、妹・お袖役の中村壱太郎さんが演じたこともあります。

四谷怪談公演スケジュール

南座新開場記念:九月花形歌舞伎
出演:市川愛之助、市川中車、市川七之助、
日時:2019年9月2日(月)~26日(木)(公演は終了しています)
昼の部 午前11時~
夜の部 午後4時30分~
劇場:南座

愛之助、七之助、中車が語る、「九月花形歌舞伎」|歌舞伎美人
松竹が運営する歌舞伎公式サイト。歌舞伎の公演情報、ニュース、俳優インタビューなどをお届けします。こちらのページは、ニュース「愛之助、七之助、中車が語る、「九月花形歌舞伎」」 を配信しています。

お岩稲荷

お岩稲荷
現在、四谷左門町には於岩稲荷田宮神社と於岩稲荷陽運寺が、道を挟んで両側にある。また、中央区新川にも於岩稲荷田宮神社がある。
四谷の於岩稲荷田宮神社(田宮家跡地)は明治12年(1879年)の火災によって焼失して中央区新川に移った。新川の於岩稲荷田宮神社は戦災で焼失したが戦後再建され、また四谷の旧地にも再興された。
陽運寺は昭和初期に創建された日蓮宗の寺院である。境内には「昭和32年に新宿区より文化財に指定されていたお岩様ゆかりの井戸」があり、また境内にある秦山木の下には「お岩様縁の祠」があったと伝えられている。元々は於岩稲荷田宮神社が中央区新川に移転した際、地元の名物が無くなって困った地元の有志が「四谷お岩稲荷保存会」を立ち上げ、この時、本部に祀ったお岩尊という小祠が大きくなったのが陽運寺の成り立ちである。
於岩稲荷田宮神社:〒160-0017 東京都新宿区左門町17−11
(出典:Wikipedia)

東京都新宿区左門町17−11

タイトルとURLをコピーしました