明烏

歌舞伎の演目

歌舞伎あらすじ・明烏(あけがらす)

本名題/明烏花濡衣(清元)、明烏六花曙(義太夫)、明烏夢泡雪(新内)
通称/明烏、浦里時次郎
実説の情話が新内の名曲になり、為永春水の人情本になり、さらに嘉永四年(1851)二月、江戸市村座の忠臣蔵八段目のあとに清元を地にして舞台化されました。



あらすじ

上の巻は花魁浦里の部屋。春日屋時次郎は山名屋かかえの浦里と恋しあい、店に隠れて忍び逢っている。金に詰まって死を覚悟する時次郎を浦里は泣いてくどくが、遣り手が浦里を連れだしたあと、店の若いものが押し入って時次郎を引き出し打ち叩く。
下の巻は山名屋の庭先。雪のなか、遣り手は時次郎と別れろと浦里を折檻する。松の木に縛られた浦里、禿みどり(実は時次郎との間の娘)も叩かれる。
座敷でこたつに暖まりながら見ていた主人四郎兵衛は、二人が気絶したのに驚くが、遣り手がじきに息を吹き返すというので二人は休息に奥へ入る。
やがて正気にかえった浦里とみどり。もうひとりの禿ゆかりが介添えに出て、二人の愁嘆をさらに悲しくかきたてる。また降りしきる雪。と、裏側の黒塀を乗り越えて時次郎があらわれ、浦里の縄を切り、みどりを背負って親子三人はこの場を逃れていくのだった。


見どころ

上の巻では「あんまりむごい情なや」の浦里のくどきをはじめ、いい節がついているので、「蘭蝶」とならぶポピュラーな曲になっている。下の巻はそっくり「中将姫」の雪責めのパロディーで、それに禿のみどりをからませたのは、「袖萩祭文」のお君を連想させる。

●名せりふ
みどり/花魁、寒いわいのう
浦里/オオ、禿もじゃ。この苦しみに引き替えて、あの二階で弾く三味線を、聞くにつけても思い出す。いつぞや主の居続けに、寝巻のままに引き寄せて、弾く三味線のおもしろさ。それに引き替え今宵の苦しみ、アア味気ない浮世じゃなア。

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