外郎売

歌舞伎の演目

歌舞伎あらすじ・外郎売(ういろううり)は市川團十郎の十八番です

外郎売は市川團十郎の十八番といってもいい歌舞伎の中でも人気の演目です。
外郎売の口上はアナウンサーが滑舌の練習によく使います。

享保三年(1718)一月、江戸森田座初演。「若緑勢曽我」の一説が独立したもの。外郎とは中国の元の札部員外郎で日本に帰化した陳宗敬が伝えた薬。
痰きり、口臭をのぞく丸薬透頂香として小田原で売り出され、江戸時代の名物になっていた。
市川海老蔵(七代目團十郎)の「助六」で息子の八代目團十郎が外郎売に扮したという記録があるが、久しく埋もれていたのを、昭和十五年(1940)に七代目松本幸四郎長男(のちの十一代目團十郎)が市川宗家に養子にはいった披露狂言として、川尻清譚の台本で上演した。その後、五十五年五月、十二代目團十郎が海老蔵時代に、野口達二の台本で復活。
同六十年の十二代目襲名の際に、長男新之助と二人で外郎売に扮した。



あらすじ

構成は、「曽我対面」とほぼ同じで、曽我の世界と小田原名物を結びつけて、曽我五郎が外郎の薬売りに身をやつして工藤祐経の館に入りこみ、敵に近づくが、時節を待てと諫められて別れる「対面」の一幕になっている。

見どころ

見どころは外郎売の長せりふだ。これは新劇などの俳優訓練の活舌術にも利用されている。
歌舞伎の古い時代には「しゃべり」という芸脈があり、関西の坂田藤十郎などは、「けいせい仏の原」の梅津文蔵で男女の痴話を描写する長ぜりふを聞かせたが、江戸の荒事でも長ぜりふを聞かせる芸があり、見物に好まれた。
薬売りは香具師の役目で、江戸市中には長口上を弁舌さわやかにまくし立てて売り歩く商人が大勢いたが、この外郎の売り子もそのひとつで、街頭での売り立ては評判になっていたと考えることができる。曽我五郎が、薬売りに変装して敵の工藤裕経に近づくというのが意表をついた歌舞伎の発想で、敵討ちに、事前に両者をあわせる「対面」という形式をつくり出して儀式性を持たせながら、一方では五郎に「やつし」のなりをさせたのである。



●名せりふ・・・五郎/ひよっと舌の回り出すと、矢も楯もたまりませぬ。そりゃそりゃそりゃ回ってきた、回ってきた。そもそも早口の始まりは、アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲット、一寸先のお小仏におけまづきやるな細溝にどじょにょろり、京の生鱈奈良なま学鰹ちょいと四五貫目、くるわくるわ何がくる高野の山のおこけら小僧、狸百疋箸百ぜん、天目百ぱい棒八百ぽん、武具馬具武具馬具合わせて武具馬具六武具馬具、菊栗菊栗三菊栗合わせて菊栗六菊栗・・・

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